2011年11月アーカイブ

kishima

こちらは、しらゆき姫が好きな作家のひとり、森博嗣さんの書いた小説。
著者はもともと工学部(たしか建築)の先生で、自宅の庭に完全自作の鉄道模型をつくってしまうような、個性的で多才な人物だ。

本作品は大学の理系の研究室を舞台にしたおはなし。作品のテーマについて言葉で抽出するのは難しいが、大学の研究室特有の「何か」を鮮やかに描き出している点で、とてもおもしろい。
理系大学院出身者であれば、思わずニヤリとするところ、身につまされるところがあるはずだ。

主人公の大学院生の性格は、どう言うべきか、冷徹。決して感情に乏しいわけではないのだが、それに対する距離の置き方ゆえ、つまり、感情は観察や分析の対象としてほぼ完結しているため、そのように映るのだと思う。

たぶん著者自身もそういう人で、その冷徹な観察眼があるからこそ、作品に見事な臨場感を与え、また思想を明晰に表現できるのだろう。しらゆき姫曰く「自分とは考え方や感じ方が違うから、とても刺激をうける」のだそう。

主人公は感情に距離を置いているが故に、それを起点とした行動についてはやや不器用だ。尊敬する喜嶋先生が、研究を形にするために情熱を傾けるのと同じように、好意を寄せる女性にアプローチする姿を見て、非常な感動を覚えるのだが、研究の方法として王道であっても、それが果たして恋愛に適用できるものなのか、BACにもよくわからない。
顛末は読んでのお楽しみということで。

ところで、著者は自己啓発本もいくつか書いていて、特に「自由」について独自の解釈と噛み砕いた表現を試みている(こちら)。
本作では、主人公が独り心情を吐露するシーンがあるのだが、恋人の「自由」についてもポロリとこぼしている。この小説の核心部だと思うし、しらゆき姫がBACに読んで欲しかったところでもあると感じている。



トマトカレー

お誕生日おめでとう、BAC♪



2012年1月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

Latest comments

Archives

  • 過去blog;偶然を廃棄せよ!
  • コータのblog;Kota's tomato salad

Counter

  • 購読する このブログを購読