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偶然を廃棄せよ!

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瞑想

 「俗に人生の十字路というが、それは正確ではない。人間は本当は、いつでも二つの道の分岐点に立たされているのだ。この道をとるべきか、あの方か。どちらかを選ばなければならない。迷う。
 一方はいわばすでに馴れた、見通しのついた道だ。安全だ。一方は何か危険を感じる。もしその方に行けば、自分はいったいどうなってしまうか。不安なのだ。しかし惹かれる。本当はそちらの方が情熱を覚える本当の道なのだが、迷う。まことに悲劇の岐路。
 こんな風にいうと、大げさに思われるかもしれないが、人間本来、自分では気づかずに、毎日ささやかではあってもこの分かれ道のポイントに立たされているはずなんだ。
 何でもない一日のうちに、あれかこれかの決定的瞬間は絶え間なく待ち構えている。朝、目をさましてから、夜寝るまで。瞬間瞬間に。
 まったく日常的な些事、たとえば朝、寝床の中で、起き出そうか、いやもう少し寝ていようか。町に出て、バスにしようか電車に乗ろうか。会社に行って上役に会う。頭をどの程度下げようか、それとも知らんふりをして通り過ぎようか。同僚に対しても。また会議の席で、本当に言いたいことを言うべきか、それでは反発もあるだろうし、出る杭は打たれる。黙っていようか。・・・・・・人によってさまざまだが、ほとんど誰でも、自分で意識するしないにかかわらず、常に迷い、選択を迫られている。
 そしてみんな、必ずといってよいほど、安全な、間違いない道をとってしまう。それは保身の道だから。その方がモラルだと思っている。ぼくは、ほんとうにうんざりする。
 人々は運命に対して惰性的であることに安心している。これは昔からの慣習でもあるようだ。
(中略)
 与えられた枠からはみ出して、いわば無目的的に自分をひろげていくとすれば、その先は真っ暗な未知、最も危険な状況に落ち込むことを覚悟しなければならない。」

「自分の中に毒をもて あなたは”常識人間”を捨てられるか」 岡本太郎/著、青春出版社

心の葛藤なしに、このような境地の中で生きたいと思う。